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KEISUI 大人と子どものための書道教室

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惜春

いよいよ改元の日が近づいてまいりました。
新しい元号を迎えますので、沈んだ気持ちではな
いけれど、親しい人を見送るような、もの哀しさ
に似た情懐があります。時代が確実に変わってゆ
くことを感じずにはいられません。

そこで「令和」、教室でも書き始めました!
楷書、行書、草書、篆書、隷書、仮名での手本を
何枚も用意しましたので、みなさん思いを込めて
楽しんで書いています。

ところでこの「令和」の典拠について、
『万葉集』第五巻 梅花の歌 三十二首の序文中に
ある、「初春令月 氣淑風和(初春の令月にして
気淑く風和ぐ)」の箇所によります。
「初春の正月の佳い月で、気は良く風は穏やかで
ある」という意。「万葉集2」小学館

初めて国書から引用なされた元号ではあります
が、じつはこれ、書を志す者なら必ず臨書する、
王羲之『蘭亭序』の「天朗氣清、惠風和暢」
から引用された箇所。

国書の中に書かれた漢籍の典拠。
往々にしてあることです。
今回の元号は、漢籍からの直接の引用ということ
ではないですが、やはり日本文化の中に漢籍が大
きく影響しているということがわかるのではない
でしょうか。

王羲之『蘭亭序』は、古来から多くの人に臨書さ
れ、今なお臨書され続けている、すぐれた法帖。
その臨書をとおし、王羲之が生きた時代を感じ想
いを馳せる、書の筆跡を学ぶことは、同時に歴史
の重さを知ることでもあります。

そのような背景を知りながら「令和」を迎えると
いうのも、親しみが湧くというもの。
行ってしまう春、惜しむ心とともに「平成」が幕
をひき「令和」を迎え、夏が到来します。

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